2023年6月、改正道路交通法の施行により、自転車利用者のヘルメット着用が努力義務となりました。
筆者は昨年、ミニベロの折りたたみ電動アシスト自転車と一緒に自転車用ヘルメットを購入。
毎回とは言わないまでも自転車に乗るときに被っていますが、その際にふと思ったことがありました。
“自転車用のヘルメットは、防災用のヘルメットとしても使えるのか?”
本記事では、この疑問について一般社団法人日本ヘルメット工業会、警視庁など情報を集めて調べてみたのでご紹介します。
この記事のポイント
✓ 防災用ヘルメットに求められる基準と機能は?
✓ 自転車用ヘルメットに必要なスペックは?
✓ おすすめの防災用・自転車用ヘルメットをピックアップ
防災用ヘルメットの基準と選び方
日本ヘルメット工業会の公式サイトによると、防災用のヘルメットを以下のように定義しています。
防災用ヘルメットとは、工場作業用、現場作業等の労働安全衛生規則に関わる場所で使用するものではなく、また、その他作業等にお いても使用しない保護帽で、万が一の災害時の非常時のみに被る防災用として使用する保護帽を定義しております。
防災用ヘルメットは、災害が発生したときに危険な場所やこれに準ずる場所で、頭部を保護するために使用するものです。
※防災用ヘルメットには、厚生労働省の「保護帽の規格」の型式検定合格品として「労・検」のラベルが貼付されています。防災用ヘルメットは、帽体、着装体、衝撃吸収体、あごひも等の部品によっ て、構成されています。
工事現場用と防災用のヘルメットはいずれも頭部を守るためのもので、厚生労働省が定めた耐衝撃吸収性試験と耐貫通性試験の安全基準をクリアしたヘルメットが「保護帽」として認定されています。
ただし同じ保護帽であっても防災用は飛来・落下物用のヘルメットで、上から落ちてくる落下物に対応できるのがポイント。
工事現場用や産業用のヘルメットは、飛来・落下物用と墜落時保護用(転倒・転落時用)があり、防災用よりもさらに安全性を高めた仕様になっているそうです。
使われている材質には、耐熱性・耐候性にすぐれているFRP樹脂、リーズナブルな値段のABS樹脂、丈夫で耐候性・耐電性もあるPC樹脂などがあります。
ということで、防災用と表示されたヘルメットはもちろん、工事現場用や産業用のヘルメットも防災時に活用できるので、「労・検」の検定ラベルが貼付されたヘルメットを材質と価格で選ぶようにしましょう。
自転車用ヘルメットの基準と選び方
自転車用ヘルメットの安全基準は、SG:SG基準、JCF:日本自転車競技連盟公認/推奨、JIS:日本工業規格、CPSC:アメリカ規格、CE:ヨーロッパ規格などがあります。
警視庁の公式サイトには、SGマークなどの安全性を示すマークのついたヘルメットを推奨しています。
では、防災用のヘルメットとして併用はできるのか、スペックなどを比較してみました。
防災用・自転車用の比較
・防災用ヘルメット
上からの落下物に対して防護する設計になっている。
・自転車用ヘルメット
転倒時に頭部が路面に衝突する際の衝撃を緩和する設計になっている。
つまり、落下物から頭部を防護する防災用と転倒時に頭部の衝撃を緩和する自転車用では、ヘルメットの目的や設計が異なるので、
自転車用ヘルメットをそのまま防災用としても活かせるわけではありません。
自転車用ヘルメットは、軽量でありながら事故時の衝撃を分散・吸収して頭部を保護する衝撃吸収材が内部に組み込まれたモデルを選びましょう。フィット感も大事ですよ。
おすすめの防災用・自転車用ヘルメット
・厚さが3.3cmの収納・保管がラクな折りたたみ防災用ヘルメット
・頭囲調整範囲47cm〜62cm、子どもから大人まで使える折りたたみ防災用ヘルメット
・ヘルメットには見えない、キャップ型ヘルメット
・街中に溶け込むおしゃれな自転車用ヘルメット
・消防士ヘルメットと同じ安全基準。帽子型自転車用ヘルメット
・ダイヤルロック結束バンド